2017年5月22日月曜日

ボストンに住む

 ボストン近郊は世界中から留学生がやってくるので留学生が滞在できるようなアパートが多くあり、家賃もとても高く設定されています。

 通常、何も情報がなければ不動産屋さんや大学の相談員に言われるままに、月十万円以上の長期滞在型の宿泊施設に行くことになるでしょう。(大学院生ならクーラーなしトイレ・シャワー共同の安い寮の部屋が紹介されることもありますが。)
 しかし、こんな指をくわえて、高い宿泊施設を紹介させるのを待っているのは日本人や金持ちの人たちくらいです。

 言い換えれば、現地に住んでいる日本人に、どのようなアパートに住んでいるのか?と質問するだけで、その人がその場所でどれくらいの情報を持ち、どれくらいのネットワークを持っているのか、簡単に判断ができるのです。


 例えば、留学生が多い中華圏の人たちが、まだ経済成長前の90年代で、まさか月十数万円のアパートに住むわけはなく、そこで安い宿泊先を紹介するネットワークは、ボストンの中に発見は難しいですが存在しました。他にもアラブ系の留学生も独自のネットワークがありました。

 当時、中華圏の人たちが利用しているアパートの貸し借りサイトは、月2万円とか普通に多くあり、中には「台所スペースでよければ月50ドルでOK」とか「自分が帰国している10日間だけ貸します」とか、通常の常識では考えれない広告記事があり、そこでその記事の発信者にコンタクトをしてみると、さらに驚くほどの情報を得たりします。
 極端な反日で最初から断られることもありますが、ボストンに来ているような中国人はおおよそ人種の壁を超える能力が備わっているので、だいたいの情報は開示してくれます。
 そして、こうした中華圏のネットワークを利用しているのは、中国人だけではなく、日本・韓国以外のベトナムやマレーシア、シンガポールなどアジア全域に広がっていて、アメリカの中に別な国が存在しているような感覚になるでしょう。

 以前にも書きましたが、私が住んでいたのはボストンの政府関係者の家の1室で、家賃は月280ドル、地下鉄駅から10分でバス・トイレは大家家族と共同でした。
 ここの大家とは、会った瞬間に信頼関係が芽生え、即決でした。苦労して到達した物件です。

 もっと古い話しですが、アラブ系の宿泊施設に住んでいたこともあります。だいたいそこは表向きはバジェットホテルで、アラブ系の人ならマンスリーレートでびっくりするほど格安で貸してくれたりします。私の場合、アラブ系ではかなったけれど紹介で何とか住むことができました。大都市では、こういったところは病院の近くにあるような印象です(入院患者のご家族用なのでしょう)。
 パリにはこうしたところが結構あるとも聞きます。

 日本でも、外国人は日本人では考えられないような独自のネットワークがあるかもしれませんね。

 ニューヨークでもアパート探しに苦労しましたが、こういったアパート探しや異国の人とのシェアなど、やはり女性の方が得意だと思われます。