2017年5月4日木曜日

週刊住宅新聞と資格図書

なぜ不動産専門誌が資格図書を?と現在の受験生には少し疑問があるはずです。

 日本経済が成長していた90年代まで、「資格」の代表は宅建でした。宅建は年間・万単位で需要があるのでこれを軸に予備校や出版社が利益計画を行っていたのです。
 もう1つが「簿記」です。PCソフト会計世代にはピンと来ないと思いますが、これも手作業で事務を行っていた時代には欠かせない必須の資格でした。

 なぜ週刊住宅に「経済学」が?というものも、90年代に人気があった資格、不動産鑑定士2次試験の勝負科目が「経済学」だったからです。
 この不動産鑑定士試験は、受験期間が長かった司法試験受験生が収入確保のために受験する人が多く、また宅建合格者はもちろん、司法書士合格者も受験するケースが多かったので、予備校としては営業しやすい分野でもありました。

 今の資格試験図書や予備校が直面している状況はアメリカでも同様です。

 アメリカには90年代まで秘書育成の短大が各地にありました。(地方では、この学校に行けば、ブラインドタッチでタイプライターが打てるようになれるというCMがよく流れていました。) それがパソコン世代に代わり、姿を消したものや、時代に合せて変化したものが見られます。

 今、チアは日本が強いようですが、アメリカが強かった時代はチアの強豪校と僻地の短大の広告活動はかなり密接な関係を持っている場合がありました。この僻地の短大というのは日本で言えば実技資格の予備校や商業高校に近い、秘書育成の学校です(もちろん、そこから4年生大学に編入する人も多くいます)。
 しかし、今では、かつては政治力が強かったチアの強豪校ですら10年以上チアのサイトが止まっているところもあります。逆に中国人留学生を集めようとフロントページが中華色に変化しているものもあります。
 僻地にとって、学校経営は唯一のビジネスなのです。