2017年9月29日金曜日

公務員試験は「人生をかけた戦いである」ということ。

「らくらく~」が発売された2005年からしばらくはさまざまな予備校や専門学校から公務員試験講座を立ち上げてほしいという依頼を受けました(新規参入として)。

 しかし、そのすべてをお断りしました。

 理由は簡単なことで、多くの新規参入者は公務員試験と資格試験を一緒に考えていたからです。公務員試験の場合、受講生は人生をかけた勝負に挑んでくるので、こちらもその覚悟が必要となり、出題される問題は簡単かもしれませんが、それを指導するにあたっては万全を要します。ミスは許されません。(資格試験の場合はそこまで人生をかけた一発勝負というわけではない)

 もちろん、勉強を指導する以外に、泣いている受験生をなだめたり(逆に合格して泣いている受験生もいますが)、人生相談をしたり、終電まで補習したりと、講師側の人生を捨てる準備が必要になります。たった1点に人生が左右される、まさに、闘いです。

 そうした場合、やはり新規参入者にとって、あまりに負担が大きく、費用対効果は得られない、もしくは採算ギリギリの経営になってしまい、さすがに上場企業の社員経験の私にはおススメすることはできないビジネス・モデルなのです。

 TACの有名講師であった友人が、結婚を機に講師業を辞め、裏方にまわりました。どうして?と当時は思ったのですが、やはり、彼は講師業と家庭の両立は難しいと悟ったのでしょう。正解です。

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 現在は、独学でも十分に合格できるよう市販でも教材が揃えることが可能、もしくは大学が忙しくて予備校に行く時間がないというのが当たり前の状況です。それでも、不思議なことに、どんな超マイナーな予備校でも十数人の受講生が集まるのがこの公務員指導校の特徴でもあります。(大手以外でも数十人は必ず来るということで、なんとかビジネスが成立しているはずです。予備校に差はありません。)

 合格する人は予備校に行っても行かなくてもうかるはずです。そして、勉強を続けていれば誰でも必ずどこかにはうかります(セーフティーネット機能は健在)。ようは他力本願でなく、自分で過去問を解いたり、自分でマナーや文章力を鍛える習慣がつけばよいだけのことです。

 さらに、採用年度にほとんどの人が結婚します。