2016年4月19日火曜日

大企業は、いつまでも隆盛を維持できない。

 最も良かった時代に築いたモノは、世代がかわって、景気も変わるとその遺産は維持できなくなります。
 それが巨大文明が滅びる1つの原因だと見る研究者もいます。

 大学で、よく大企業の幹部クラスを呼んで、実務経験に基づいた授業をやってもらうこともあり、聴講される人もいるでしょう。私もかなりの回数を足を運びましたが、かつて隆盛を誇っていた大企業の幹部からはあまり刺激的な言葉は聞かなくなったように感じられます。
 逆に、面倒な仕事は、下請けに全部丸投げするぞ、みたいな発言をする人までいました。

 
 歴史を学べば、江戸時代、天下の台所である大阪の問屋なしには経済は語れませんでした。そこに好景気の源もあり、逆に経済が停滞し、借金大名であふれる原因も存在していたのです。

 しかし、開港をきっかけに、各藩は大阪を経由しないで、そのまま横浜や地方へ取引を行うことになったのです。いつも、この流れは日本に内在したもので、最近では電子商取引が代表的なものでしょう。

 一部の大企業は、下請け企業は自分たちでは何もできないと思っているかもしれませんが、中小企業はもともと製品をつくる技術を持っていて、大企業を経由しなくても、電子商取引を利用すれば、自分たちで直販できると考えるはずです。
 当然にその大企業は製造を下請けに丸投げしていた期間が長かったために、隆盛時代の技術が次の世代に継承できなくなっているのです。

 その一方で、起業家の話は大学生にプラスになる確率が高いと思われます。
それは、その起業家の発想が斬新だとか、学歴や職歴もまったく関係がなく、もっとも成長に必要なのは、社会がその会社が世の中に必要だと思わせることだからです。
 会社は社会が育てるもので、金もうけも名声もすべて二の次なのです。大企業は人々から支持され、社会性のみが優先されて生き延びるのです。